1秒間はいつどうやって定められ、1秒間にはいったい何が起きてるのか?
目次
1秒の定義
国際単位系で(SI)で「1秒は、セシウム133原子基底状態の二つの超微細構造単位遷移に対応する放射の周期の91億9,263万1,770倍の継続時間と1967年に定義され、現在も使われている。原子や分子には、固有の振動数の光や電波を吸収し放射する性質がある。セシウム原子の場合には、マイクロ波と呼ばれる周波数の電波が吸収さる。前述の表現を言い換えると、セシウム原子時計では、この電波の振動を91億9,263万1,770回数えた時を1秒と定義したのである。
「1秒」の長さが2030年に再定義される
ところがこの「1秒」の長さが2030年に再定義されるという。そもそも昔(1956年まで)は、1秒は地球の自転1回転を基準に1日の1/8万6,400時間と決められていた。しかし、1960年頃に、地球の自転が速くなったり遅くなったりしていることが分かり、より高精度で誤差の少ないセシウム133原子を採用した時計が開発された。半世紀が経過し、レーザー光による光格子に閉じ込めた中性原子を利用する光格子時計が完成した。セシウムでは16桁が限界であった測定が、レーザー光を用いると18桁まで可能になったことから「1秒」の再定義の準備が始まったという。
1秒間に起こっていること
ここで1秒間の間にいったい何が起こっているか、例を幾つか上げてみよう。
- 約200万個の赤血球が体内で作られている
- 約13,000個のアルブミンが肝臓で作られている
- 約170万個の細胞が小腸で生まれ変わっている
- 世界中で約19,000杯のコーヒーが注がれている
- 約36台の携帯電話が生産されている
- 約32曲の音楽がダウンロードされている
- 世界中で約129個の乾電池が作られている
- 約13kmのトイレットペーパーが生産されている
- 約95kgのアルミ缶が消費され、そのうち86kgがリサイクルされている
- 約78万円の寄付金がアメリカで集められている
- 約530万円が教育費として使われている。
- 約4tの文書用紙が世界で使われている
- 約71gの金が採掘されている
- 約22tの鉄が地球から掘り起こされている
- 約89mの速さでハヤブサが降下している
- 約2.5人の都市人口が増加している
- 約888tの二酸化炭素が排出されている
- アマゾンの森林が約84平方m失われている
- 地球ではテニスコート分の天然林が消失している
- 地球は約465m自転している
- 約10kmの速度で宇宙ゴミが地球の周りを浮遊している
- 約1.2nm月が地球から遠ざかっている
- 約6億70,000万tの水素が太陽の中心部で核融合している
- 約140kmの速さでアンドロメダ銀河が地球に近づいている
- 宇宙では約79個の星が爆発している
大分ニッチなデータがありどうでもいいというのもある。意外に少ない(遅い)と感じるものもあれば意外に多い(早い)と感じるものもあるであろう。あなたはどう感じただろうか。