標準時はいつどうやって定められたのであろう
標準時(GMT)
標準時(GMT : Greenwich Mean Time)とは、1884年に行われた国際会議で、イギリス・ロンドンのグリニッジ天文台を通る子午線上で太陽が南中した時を正午として定めた時刻をいう。そこでは世界の経度と時刻の基点(本初子午線)とすることが定められ、経度が15度ずれるごとに時刻が1時間ずれるとしている。グリニッジ天文台は経度0度にあり、日本は経度135度(明石市)となるため、グリニッジ標準時から9時間の時差がある。グリニッジ標準時での日本の時間の表現(タイムゾーン)は「GMT+09:00」となる。
協定世界時(UTC)と標準時(GMT)
UTC(Coordinated Universal Time)はセシウム原子の振動数を基に定められた原子時計からうるう秒を補正した時刻であり、協定世界時とも呼ばれる。GMTにおける1958年1月1日0時0分0秒からの経過時間をカウントダウンして定めた時刻である。GMTとUTCはほぼ一致していが、地球の自転は一定でないためGMTとUTCの間には32秒の差がみられる。
日付変更線のすぐ西側にあるキリバス「UTC+14」が世界で一番時刻が早い国である。反対に世界で一番時刻が遅い国はアメリカ領サモア、ニウエ「UTC-11」である。
世界の時差事情
東西に180度にも渡って広がるロシア(世界第1位の国土面積)では9つ(領土の捉え方によっては11)もの時間帯を持っている。ところがそこそこ面積の広い中国(世界第4位の国土面積)はというと、実は「北京時間」と呼ばれる中国標準時が1つだけのため国内での時差はない。国の西側にほぼ経済圏が集中しているからであろう。日本と時差のない国は韓国(1911年までは30分の時差があった)、パラオ、インドネシア東部、東ティモールである。
時差ぼけ
時差ぼけとは、海外旅行の際に、現地到着後、あるいは帰国後に、体調の不調を訴えることがあり、その状態のことをいう。主な症状は、不眠や眠気、疲労感、頭重感、食欲不振、イライラ感などがある。通常4~5時間以上の時差があれば、症状が出てくるようだ。人体のリズムは、1日の周期が長くなる方には順応しやすいが、短くなると順応しづらい傾向にあるようだ。このため西方面よりも東方面への渡航の方が時差ぼけとしてはつらいようだ。僕は大学時代、ヨーロッパに渡航したが、行きも帰りもほとんど時差ぼけは感じなかった。感じ方は体調にもよるが人それぞれなのであろう。