ジャネーの法則は僕が小学生の頃、既に気づいていた。
僕の小学生の頃の仮説
小学生の頃、高学年になるにしたがって一年が過ぎるのが速くなったと感じるようになった。これは中学生になっても同じで、勿論高校、大学、そして大人になってからもそうだ。周りの人に聞いても同じことを感じていたらしい。ただし何となくそう思っていたらしい。ところが僕自身の中にはある仮説があった。それは小学校の頃から思っていたことだ。
その仮説とはこうだ。5歳の時の一年はその人生の5分の1であるのに対し、10歳の時の一年はその人生の10分の1でしかない。そうなると50歳の時の一年はその人生の50分の1、つまり5歳の時と比べて10倍も短く感じるという訳だ。つまり生きてきた年数によって一年の相対的な長さがどんどん短くなるということだ。何かで証明したいと思っていたが、その術がなく時が経過していった。
また、ちょっと視点を変えるとこんなことも感じたことはないだろうか。僕には下に弟が一人いて、年齢は5歳離れている。僕が小学6年生の時に彼はまだ小学1年生。随分歳が離れているなと感じていた。ところが僕が60歳になれば彼は55歳。これはもうほぼ同年代でそこにはジェネレーションギャップも何もない。本題から少し話がそれてしまったが、まんざら関係ない話でもない。これも僕の仮説の一部であった。
ジャネーの法則
ある時どこからとなく、とうとうその「仮説」に関する答えを知った。学者が証明しているんだから確かだ。僕の考えていたことが正しかったという証明でもあり、妙に嬉しく勝ち誇ったような気分になった。
その法則は「ジャネーの法則」という。ジャネーはさらにその理由をもう一つ言っている。それは経験値の違いによるものだ。人生は長く生きていればいるほど、どんどん経験値が増していく。5歳の子供は毎日が新しいことだらけで覚えることも体験することもたくさんあって時間を長く感じる。それに対して10歳の子供はある程度人生を経験していて経験値が増しているので刺激も少なく、感じる時間が5歳の子供よりも短い。
この理由に関しては、僕は気づいていなかった。というか、実は内心あまりしっくりとこない。でも納得させられる経験がそういえばあることに気が付いた。
ドライブでの経験
ある一日の中の体験で、行ったことのない土地に車でドライブする時のことを想像してみよう。行きは地図を頭の中に描きながら(またはカーナビに頼りながら)、次は右にコンビニのある交差点を右折して、しばらく道なりに行って、次の三叉路を左に行って、という具合に常に注意を払って目的地に向かってようやく辿り着く。それなりに長く感じるものだ。ところが帰りは、同じ道のりを戻ってるのにも関わらず、短く感じる。もう頭の中に目印の分岐点がインプットされているので、行きよりは新しい情報が少ない。あなたもこれと似たような経験はないだろうか。
ジャネーの法則は僕の仮説が正しかったことを裏付けたが、流石に僕よりもはるか昔に分かっていたことで、僕は残念ながら第一発見者とはならず歴史に名を残すことはなかった。
脳科学的にみたジャネーの法則
脳の活動量は年齢と共に減少し、脳の老化がジャネーの法則にも関係してると言われている。若い時は脳の活動量が多く時間がゆっくりと感じられ、大人になるに従って活動量が少なくなり時間が短く感じられる。新しいことを学ぶ時に、脳の多くの神経細胞が活性化し血流量が増加し、脳のエネルギー消費量も増加する。このため脳の活動量が増えると時間がゆっくりと感じられるらしい。脳が老化してくると活動量も減少し時間が速く感じられるということである。
(参考:川崎オフィス・オフィスブログ、2023.07.31)
ジャネーの法則を打ち破るには?
年齢の経過という絶対変えられないような事象は仕方ないとして、なんとかジャネーの法則を打ち破る方法はないだろうか。必ずしも全員がこの法則に則った時間の感じ方をしているとは限らない。人は年齢の増加に伴い、生活の新鮮味がなくなり、日々新しいことに出会うチャンスが少なくなる。なので夢や目標を持ち常に新しいことに挑戦し続けることによって、時間が速く過ぎるのを阻止することが可能と思われる。毎日の行動に慣れないことが重要である。同じことを繰り返す日常になっていないか、学ぶことを忘れてないかなど、自分の時間の使い方を見直してみるといいでしょう。
- 「主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く感じられる」という現象を心理学的に説明したもの(人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する=年齢に反比例する)
- 人は初めてのことや経験したことがないことをしている時は、それが強く印象に残り時間が長く感じるが、反対に慣れてしまうと時間の長さが気にならなくなり、あっという間に時間が過ぎたように感じる